自分の歯を残そう!
一般的に神経治療と呼ばれる神経は、歯髄のことです。
虫歯を長期間放置しておくと、やがて虫歯菌が歯髄に達して炎症を起こし、神経は徐々に死んでしまいます。神経治療とは、細菌感染もしくは壊死した歯髄を除去し、根管内*を清掃、殺菌、整形、無菌状態にして炎症の再発を予防することで天然歯を保存する処置です。
*歯髄の入っている管のこと(そのため、神経治療は根管治療とも呼ばれます。)
神経治療が必要な例
虫歯が歯髄に達し、神経が細菌感染もしくは壊死した
歯を強打して神経が壊死した
以前神経治療したが、膿が再発した
歯髄
歯髄
(神経をはじめ、血液やリンパ管を含む)
虫歯が治った!?
歯の神経が虫歯に侵され始めると、多くの場合、熱いものにしみたり、噛むと痛い、夜になると痛いなど何らかの自覚症状が現れます。この状態を放っておくと一旦痛みがなくなります。ここで安心する患者さんが多いのですが、これは虫歯が治ったわけではありません。神経が完全に壊死したために何も感じなくなったのです。
壊死した神経をさらに放置すると膿が発生、再び激しい痛みや腫れが起こって、慌てて歯科医へ飛び込むことになります。
膿が激しく広がった状態では、治療がより複雑になったり、歯の保存そのものが困難になることもあります。 まずは自覚症状が現れる前に歯科医へ、自覚症状が現れたら直ちに歯科医へ行きましょう。
神経治療(図解付き)
神経治療はとても繊細な治療で、歯科医の技術と経験によってその結果は大きく異なります。 日本歯科グループでは、経験豊富な優れた神経治療専門医*が最新機器を駆使して治療にあたります。

*専門医とは、一般歯科医免許取得後、さらに神経治療専門課程を修了し、専門医として認定された医師のことです。その後も日進月歩の神経治療分野における最新情報と技術を集中的に学び続けなければなりません。当院の医師は毎日神経治療のみを行うスペシャリストです。

step1
歯髄を開け、壊死した神経をきれいに取り除き、薬剤による殺菌処置を施します。根の先に膿ができている場合、時間をかけて丁寧に取り除きます。

1. 虫歯 2. 細菌感染/壊死した歯髄 3. 膿

step2
神経が通っていた根管を殺菌した後、整形します。

1. 殺菌、整形された根管

step4
各根管の長さを測定し、根管の形状に合わせた充填により無菌状態を作ります。
*根管を正しく計測し、それに合わせた長さに充填することは神経治療を成功させる上でとても重要です。そのためレントゲン撮影をして確認します。

1. 仮詰め 2. 充填された根管

step5
神経治療後の歯はクラウンを被せ歯が欠けないように補強します。(歯の状態によっては必要ありません)

1. 支台 2. 骨の回復

注意
治療中は何度かレントゲンを撮ります。これは各根管の長さや形状を確認するためのもので、それらに合わせた正確な充填は治療の成功に欠かせません。 当院を訪れる多くの患者さんに、過去の不正な神経治療や、それによる炎症の再発などを見つけることは残念ながら珍しくありません。明らかにいい加減な治療、根管内に器具が残されたり、根管を突き破っていたりなど、それらを治療し直すのは容易なことではありません。